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ドライバーの賃金

ドライバーの賃金体系

  規制緩和の影響で新規参入業者の増加による価格競争の激化、下がり続ける委託料金、燃料費の高騰の長期化、慢性的なドライバー不足等運送会社を取り巻く経営環境は厳しくなる一方です。それに加えて、最近ではドライバーの労働時間管理が徹底できないため、残業手当の支払いが急増しています。

このような厳しい経営環境を乗り越えるには、経費管理を徹底しなければなりません。固定費を考え直すことが経営課題になり、その固定費の中で大きな比重を占めるのが人件費です。そこで人件費の見直しをしたいと思いませんか。

といっても、単純に歩合給を導入することではありません。

ドライバーの賃金を考えるときに、最近、物流センターの集約化や搬入搬出先であるメーカーの在庫管理の徹底化が進んだために、運送業者にしわ寄せがきております。その結果、待機時間の長時間化が問題になっており、その待機時間を、労働時間とするのか休憩時間とするのかを判断することが困難になっています。待機中に、携帯電話でメールやゲームをしていたり、喫煙していたりすれば、その時間は自由に使えていて労働から解放されるので休憩時間かと問われても、自分の順番になったらすぐに作業に取りかれるから作業の準備をしている、だから手待ち時間だともいうこともあります。したがって、この難問を回避するべく、休憩時間以外は労働時間として給与を決定する方法を考えなければなりません。

また、会社に対してのドライバーの貢献度を評価して、賃金に反映させることで、ドライバーのモティベーションを上げることも考えられます。以上のことから、会社の実情、規模や従業員の考え方、行動特性を反映させた、時間給型、完全歩合給型、併用型の賃金制度の設計も考えられます。

時間給型

  改善基準に従って、ドライバーの最大労働時間を計算してみます。一体、月額給与はどのくらいになるのでしょうか?

労働基準法では所定労働時間は、1年単位の変形労働時間制を導入した場合では、年間2,085時間(1年が365日の場合)で、年間最大労働日は280日と定められています。また、運転者の時間外労働時間は労働基準法には規定がなく、労働基準法とは別の「改善基準」と呼ばれる通達があり、拘束時間については1箇月間の最大拘束時間を、原則293時間、1日の最大拘束時間を原則13時間、と定められています。
それをもとに1箇月間の最大労働時間を考えてみます。


例えば、年間単位の変形労働時間を導入していえる会社で、1日の所定労働時間が8時間00分、休憩時間が1時間の会社の場合で、月毎の繁忙を考慮しないで平均して、深夜労働を含まずに考えます。

  • 月間最大労働時間=年間最大所定労働時間2,085時間÷12月=173.75時間
  • 月間最大労働日数=月間最大労働時間173.75時間÷1日の所定労働時間8時間=21.71…21.5日とします。
  • 月間休憩時間=21.5日×1時間=21.5時間
  • 月間最大労働可能時間=月間最大拘束時間293時間-休憩時間21.5時間=271.5時間
  • 月間最大時間外労働時間=月間最大労働可能時間271.5時間-月間最大所定労働時間173.75時間=97.75時間

この場合の時間給を1,000円として、月給を計算します。

所定労働時間173.75時間×1,000円=173,750円
時間外手当97.75時間×1,000円×1.25=122,188円
合計295,938円

このように考えると、時間単価の約300倍が月給のおおよその目安です。
当然、時間単価は、最低賃金を下回らない金額で、各ドライバーを評価して、決定することができます。

完全歩合給型

  完全歩合給というと、残業手当を支払わなくて済むと思っている人が多いのですが、間違えです。いくら完全歩合給であっても、所定労働時間を超えて働いた分の残業手当を支払わなければなりません。ただし、完全歩合給での残業手当の支払いには、割増分のみを支払えばいいのです。


例えば、1箇月間の歩合給が200,000円だった人が、その間の労働時間が200時間(その内訳は所定労働時間160時間、平日の所定労働時間外労働が40時間)の場合の残業手当は次のように計算します。

まず、歩合給200,000円を労働時間の200時間で割って1時間当たりの歩合給を計算しますと、1,000円になり、時間単価が算出されます。
つぎに、割増分を計算します。この場合所定労働時間外労働が40時間あるのでこの40時間が割増分の対象になります。先ほどの時間単価1,000円を平日の所定労働時間外割増率の25%を乗じると250円になり、この250円を所定労働時間外労働の40時間に乗じると、10,000円になります。この歩合給の残業手当の計算では所定労働時間外の労働に対して歩合給が支払われておりますので、割増分を加算するだけでいいのです。

したがって、この場合の賃金総額は、歩合給200,000円と歩合給10,000円の合計の210,000円となります。

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